紙は、脳にもやさしかった。──だからこそ、地球にもやさしく刷りたい
「資料も本も、そろそろ全部デジタルでいいんじゃない?」——いつのまにか、そんな空気が当たり前になってきました。ペーパーレスは合言葉。紙はなんとなく「時代遅れ」で「環境にもよくなさそう」、そんなふうに感じている方も少なくないと思います。
ところが最近、その常識をやんわり揺さぶる研究が発表されました。
紙で読むと、脳は“余計な力を使わない”
2026年6月、東京大学の酒井邦嘉教授の研究チームが、マンガを手がける株式会社コアミックスとの共同研究で、ちょっと意外な成果を発表しました。同じマンガを「紙の本」と「電子書籍」で読み比べ、その後の脳の働きをfMRI(脳活動を画像で捉える装置)で計測したところ、紙で読んだあとのほうが脳活動の「省エネ化」につながっていた——というのです。
ここで少し補足を。「省エネ化」と聞くと、手抜きや性能ダウンのようにも響きますが、意味はむしろ逆。脳が余分な活動をせずに済んでいる状態、つまり内容がすっと腹落ちして、無駄な負荷なく処理できているサインなんです。速さや便利さの話ではなく、「理解の深さ」に関わる部分だと考えてください。
しかもこの研究、紙の本の読書効果を脳科学ではっきり示した、世界でも初めての試みだといいます。デジタル教科書の導入が各地で検討されているいま、「紙にしかない価値」が科学の言葉で裏づけられた意味は、決して小さくありません。
「でも、紙って環境に悪いのでは?」
とはいえ、こう思う方もいるはずです。「脳にいいのはわかった。でも、木を使い、水やエネルギーをかけて刷る紙は、やっぱり地球に負担なんじゃないの?」
正直な疑問だと思います。でも、あえて言わせてください。その問いには、大事な前提が一つ抜けています。それは「紙にもいろいろある」ということ。どんな材料を選び、どんなインキで、どう刷るか——その選択しだいで、同じ一枚の印刷物が環境にかける負荷はまったく別ものになります。つまり本当に問うべきは「紙か、デジタルか」ではなく、「どんな紙を、どう刷るか」。ここを外さなければ、紙はむしろ責任ある選択になり得ます。
光陽社が積み重ねてきた、環境への取り組み
私たち光陽社が長く向き合ってきたのも、まさにこの「どう刷るか」でした。
たとえば、森林破壊につながらないFSC®認証紙の採用。インキも植物由来のものや、環境負荷を抑えたノンVOCインキへと切り替えてきました。さらに、現像液をいっさい使わず廃液を出さない「完全無処理版」の導入や、2022年4月からは全事業所の電力を100%再生可能エネルギーに転換。温室効果ガス排出量を実質ゼロにした「カーボンゼロエネルギー」工場での印刷体制を整えています。
ひとつひとつは地味かもしれません。それでも、こうした積み重ねがあってはじめて、「紙で伝える」という選択を、胸を張っておすすめできるのだと考えています。
価値ある紙を、責任ある形で届ける
ここで少し、発注する側の目線に立ってみましょう。
環境に配慮した印刷を選ぶことは、単なるコストや自己満足ではありません。それは、届けたいメッセージの「質」と、送り手であるブランドの「姿勢」を、同時に高める行為でもあります。手に取った人の記憶に残りやすく、しかも「この会社は、こういうところまで考えているんだ」という信頼まで一緒に届く。紙という手ざわりのあるメディアだからこそ、伝わるものがあります。
脳にやさしく、地球にもやさしい。その両立は、決して特別なことではありません。あとは、それをどんな形にしていくか、です。
紙で伝えたいことが、ありますか
会社案内、カタログ、記念誌、パッケージ——「これは、やっぱり紙で届けたい」。そう思える一冊やひと箱が、きっとあるはずです。
環境への配慮と、伝わる紙づくりを両立させたいと感じたら、ぜひ一度、光陽社にご相談ください。ご予算や用途にあわせて、いちばんふさわしい紙とつくり方を、一緒に考えます。まずはお気軽に、お問い合わせフォームからお声がけを。
【参考・出典】
>東京大学大学院総合文化研究科:【研究成果】紙のマンガの読書効果を脳科学で実証──デジタル書籍より左脳と右脳の活動が省エネ化──(2026年6月4日発表)